文理選択(理系苦手なのに工学部)

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私は、得意科目が文系で、苦手科目が理系である。中学受験の時から、国語と社会が得意で、算数と理科が苦手だった。理系進学を決めたときは皆に驚かれたくらい、私が文系人間なのは周知の事実だった。そんな私が、理系進学に至った理由と、その後の理系としての生活について述べたいと思う。

 

 

理系に進んだ理由

 理系の学問に興味があった

当たり前だけど、これが一番大きい。そうじゃないと、理系を不得手とする人が理系の受験生として受験生活を送るのは相当辛いと思う。ちなみに、私の興味の変遷は以下のような感じだった。

中3→農学部に興味があった。おいしいのは前提として、栄養価が高い野菜を生み出したかった。海外志向も少々あって、農業なら海外でも使えるスキルだと思ったのもある。

高1~高2→医療系や生命科学系を志した。もとから人体への興味があったのだけれど、さらに成長ホルモン治療を受けたこと(過去記事に詳しい内容あり)

 

seikimatsu-boo.hatenablog.jp

 

で医療への興味が深まった。この時期は、医療系や生命系の学部のオープンキャンパスによく行った。大学を調べるたびに、面白そうな研究を見つけるたびに、ワクワクした。

高3→理系進学を諦めた。もともと、私は法学や社会学をはじめとした文系とされる学問にも興味があった。そのため、成績が伸びない理系を諦めて、文転を決意した。

浪人→上のような感じで文系の大学を受けたので、私大定員厳格化の影響もあり、全大学に落とされた。そこで、改めて考えた結果、再度理系に戻ることにした。この時、大学を調べ直して、絶対に私が進むことは無い、と思っていた工学部への進学を決意した。

 

コミュニケーション能力が低い

私は、コミュ障である。大学入学後、学科のグループLINEに入ったのは男女含めて最後だった。高校の同級生の中では、行方不明者扱いになっていた。大学でやらされた自己分析でも、コミュニケーション能力の値は最低だった。ボッチ行動が多く、私自身はそれで特に不自由を感じていないのだが、社会的にみるとあまり好ましくないのは分かっている。そのため、文系の対人能力に秀でている人たちと就活で戦うのは無理だと思った。もし仮に運よく就職できたとしても、営業職に回されたら苦しむことになる、とも言われた。

 

一人で生きていける給料が欲しかった

私は、今のところ結婚願望が全くない。というか、子どもを絶対に持ちたくないので、必然的に結婚を視野に入れることもない。そのため、自分で自分を養うために、働き続けることになる。(結婚していれば、片方が倒れても片方が働くことで支え合えるのかもしれないけれど、独身の場合、頼れるのは自分のみである)男女平等が叫ばれて久しいけれど、未だに男女に賃金の差があるのは事実である。だから私は、理系の学問を学び、知識・技術を身に着けることで、自分の市場価値を少しでも上げることにした。

 

親の勧め

私の親は理系信者で、小さいころから理系進学を推されてきた。理系進学は自分の意志で決めたと思っているけれど、刷り込みもなくはないと思う。

 

担任の先生の後押し

私の出身校では、高1の秋に文理選択をする。私の成績は、文系選択だと特進クラスが確定、理系選択だと普通クラスの可能性がある、といった感じだった。とても悩んだけど、担任の先生の「俺は、seikumatsuなら理系でもやっていけると思う」との言葉に背中を押されて、理系を選択した。高1の時の数学の先生が分かりやすかったのも大きな要因だった。この先生についていけば、数学は大丈夫、と思えた。(ちなみに、高2から数学の先生は変わったので、全然大丈夫じゃなかった)

 

受験勉強

何とか特進クラスに滑り込んだけど、勉強には苦労した。私に理系進学は無理だ、と何度も思った。けれど、理系の勉強をすることに嫌悪感は無く、少しずつでも理解できるようになるのが嬉しかったので続けられた。

数学→浪人してコツコツやったら少しはできるようになった。高2の段階から数学2Bと数学3の基礎計算を丁寧に学習すればよかった、と後悔している。

化学→全体像を把握するのに苦労した。分かっているはずなのに点数が取れない、という時期が長く続いた。それでも根気よく基礎を固めているうちに、点数に結びつくようになった。

物理→浪人してから始めたため、特にきつかった。河合塾の授業は既習前提のためついていけずに、すべてを自習した。理系的センスがある人は別かもしれないけれど、私は最後まで納得のいく学習ができなかった。高校で選択した生物は楽しかったけれど、物理選択にすればよかった、と後悔した。(生物選択は志望校が縛られてしまうため、物理選択を強くお勧めする)

受験は、結局うまくいかなかった。その経緯は、

 

seikimatsu-boo.hatenablog.jp

 

にも詳しく書いてある。センター試験で高得点だったのは、英語・国語・倫理と見事に文系科目だったし、足を引っ張ったのは、物理と数学だった。受験勉強を通して、私が理系人間になることは叶わなかった。

 

入学後一年経過して

私は融合領域を学べる学科に進学した。(工学と、とある分野の融合領域である。身バレ防止のため、詳細は控える)入学して一年経った今も、自分のような文系人間が理系の代表のような工学部にいることが信じられない。

学習の方は、現時点ではそんなに問題はない。自分の大学のレベルが高くない、というのも一因だとは思うけれど、自分が入学を認められた大学なら、どの大学でもきちんと勉強すればついていけないことは無いと思う。学年が上がった時についていけるかどうかはまだ分からないけれど、大学院進学を希望している身としては、努力するしかないだろう。また、私は、どうやら周りと比べてレポートを書くのが早いらしい。この一年、実験や実習で何かとレポートを書かされたので、レポートを早く書けるスキルはあって良かったな、と思う。これはたぶん、文系人間が理系に進んだ時の大きなメリットの一つであろう。

理系を選択してから4年半、理系大生と言われるようになって1年が経つが、理系を選択したことに後悔はない。理系が苦手なのに理系選択をすることに戸惑いがある人もいるかもしれない。得意な文系科目を捨てることにためらいがある人もいるだろう。でも、理系の中に学んでみたいことがあるのなら、簡単に諦めないで理系選択も考えて欲しいな、と思う。最終的に文理どちらを選ぶにせよ、大切なのは自分でよく考えて決断することだったのだな、と振り返って感じる。文理選択に悩む人が、納得のいく決断をできますように。

 

大学を卒業して

大学在学中に判明したのだが、実は私は得意不得意の差が激しいといわれる発達障害の一種、ASDだった。どおりで、勉強時間によらず理系科目ができないわけだ。(偏差値が30違うのも普通な程度には文系>理系)特に私は、設計図的なものに大変弱く(図から想像することができない)、正直この辺りの授業はしんどかった。とはいえ、大学を留年することはなかったし大学院に進学もできた(単位はギリギリだったし、修了できるかは分からないけれど)研究室もうまいこと苦手分野を避けることができたので、なんとかやれている。不器用だけど、一つずつこなしている。

理系を選択したのが2015年の秋だから、もう8年経つ。文系を選んでいれば、もっと良い大学に進学できたのかな、などは思いつつも理系選択に後悔はしないまま現在まで来た。何より良かったな、と思うのが自分が選んだ学科の専門分野を嫌いになることがなかったこと。正直、自分の適性的に自分が憧れていた理系職種(設計開発とか)に就くのは難しいかもしれない、と思っている。でも、専門分野周辺の企業で働きたい、と考えている程度には、私はこの分野に興味がある。大学院を終えて働き始めたら、またこの続きを書こうと思う。